書籍「沈黙のWebマーケティング」でWebデザイナーの価値を高めろ!
どうも、WebデザイナーのスキルセットにWebマーケティングの知識が必要になってくるなと考えているマーケザワです。
今年から体系的にWebマーケティングを学ぼうと思ってたなところに今年一番(だと思う)インパクトのある書籍に出会いました。ネット上で話題となった「沈黙のWebマーケティング」の紹介をします。
沈黙のWebマーケティングとは?
2014年にネットで公開された企画サイト。漫画ノベルでWebマーケティングを学べるというもの。
沈黙のWebマーケティング ―Webマーケッターボーンの逆襲―
上記のWebコンテンツを書籍化したものが「沈黙のWebマーケティング −Webマーケッター ボーンの逆襲− ディレクターズ・エディション」です
Webで見れるから、わざわざ本を買って読まなくてもいいじゃん。
漫画ノベルでWebマーケティングがわかるの?
Webマーケティングの初心者なら買って読むべき!!
と声を大にして言いたい。
本編の中でWebマーケティングのツールやコンテンツマーケティングの話しが出てきますが、書籍では解説ページとして詳細にまとめられています。
Web上コンテンツでは初心者にとってはWebマーケティングの知識を学ぶことが難しいと思います。
この解説ページがあるの無いのとでは理解度が違いますのでこれだけでも買いです。
書籍の中でWebマーケティングのポイントをWebデザイナーの目線から紹介してみたいと思います。
SEOはウェブマスターツールから始める
SEO(Search Engine Optimization)は検索エンジン最適化と直訳することになりますが、現在の主流は検索エンジンは、言うまでもなくGoogleの独壇場です。
「Google八分」という言葉があるぐらい、企業のサイトやブログで生計を立てている人が生かすも殺すもGoogle様様であるワケです。
Googleの検索エンジンから運営しているサイトがどのように見られているのかを調べるのに「ウェブマスターツール」にサイト登録が必須です。
ウェブマスターツールでインデックス(Googleの検索データベースに登録させること)させたり、サイトに対してのペナルティなど確認することができます。
本書では、特にウェブマスターツールでチェックして置きたい項目が書かれていました。
- サイトへのメッセージ
- HTMLの改善
- サイトリンク
- 検索クリエ(サイトがどんなキーワードで表示されるのか)
- サイトへのリンク
- 内部リンク
- 手動による対策
- モバイルユーザビリティ
- インデックスユーザビリティ
- コンテンツキーワード
- URLの削除
- クロールエラー
- サイトマップ(ここで言うサイトマップとは自社サイト内にあるページをリストアップしたXML形式ファイル)
- セキュリティの問題
WebディレクターやWebマーケッターは、既に知っているところだと思いますが、Webデザイナーの場合はどうでしょう。自分もブログを持つまでは、存在すら知りませんでした。
クライアントの中にもWeb担当者が居なければ、クライアントのサイトも登録してないんじゃないでしょうか。まずは、ウェブマスターツールの使い方を理解していかないと。
ウェブマスターツールのことについて詳しく集約された書籍があればいいなあと思うんですが。
Webデザインは見せるより読ませる
Webサイトはデザインを見せることよりも書いてある内容が重要。
本書では、サイトが「誰」が「どんな環境」で閲覧されているかと考えることが重要、デザインはコンテンツファーストで考えることが大切と説かれています。
Webデザイナーの駆け出しの頃はWebデザインはかっこ良く、キレイであるべしと考えていました。なんのためにWebサイトがあるのか?を全く考えていませんでした。
たとえば、オーダー家具の完成イメージなどは、文章で一生懸命説明するよりも、実物の写真を見てもらった方が早いでしょう。逆に、そのお店の歴史などは、ただ写真を並べるように、文章のメリットを相互に組み合わせならがコンテンツを作っていくと、訴求力の高いコンテンツが仕上がります。
例外もありますが、Webデザインはコンテンツが読まれてそのデザインに存在価値を持ちます。
見てもらえるコンテンツを作るために文章・写真・図、イラストをのメリットを理解して相互に組み合わせて作っていかないとユーザーにとって価値のあるサイトをつくっていきたいですね。
マーケティングの基礎もしっかりと
本編の中でマーケティングの基礎である「SWOT分析」が出てきます。
「SWOT分析」とは、マーケティング戦略で使われる思考フレームワークの一つである。
1.Strength(強み)…自社が持つ強み
2.Weakness(弱み)…自社が持つ弱み・課題
3.Opportunity(機会)…外部環境にあるチャンス
4.Threat(脅威)…外部環境にある自社にとって都合の悪いこと
このフレームワークで客観的に自社サイトの強みと弱みを知ることができる。
変化の早いWeb業界において、サイトの戦略を変更してくことが不可欠だという。
本書ではSWOT分析したマイナス面(弱み、脅威)の結果に注目してサイトの戦略を考えている。
いままで、SWOT分析したプラス面(強み、弱み)だけ注目していなかったので、非常に参考になったところであった。
競合に対してのマイナス面(弱み、脅威)をプラスに変える戦略を「逆張り」「肩透かし」という。
例えば、競合がメディア取材を受けたことを、PRし始めた場合、自社では「メディアに登場しない隠れた名店」という表現を使ってみる。また、競合が支店を増やし始めたことに対して、自社では「弊社があえて支店を増やさない理由」というコンテンツを制作してみる等、、
競合の逆手をとった戦略なので、競合が動けば動くほど色々とアイデアが生まれそうですね。アイデアの枯渇がなさそう。
色々な戦略が施策できる程、変化に耐えれるサイトになるためには、まずは、サイトを作る際の上流工程が重要になると説かれています。
Web業界の流れをみていると今後、Webデザイナーも上流工程の「企画・設計」段階から参加していかねばWebデザイナーの価値が無くなってしまうのではないかと危機感を覚えています。
コンテンツマーケティングでSEO対策
検索順位を上げるためにはSEOの対策は欠かせない。
SEO対策は、二つに分けることができます。
タイトルタグや本文といったテキストにキーワードを調整したりする内部SEO。
外部サイトからリンクを張ってもらえるようなコンテンツの制作する外部SEO。
その中でも外部SEOは、リンクを張ってもらえるような施策が必要です。
人が自然にリンクを張ってもらえるコンテンツを企画するSEO対策のことをコンテンツSEOと呼ぶ。
では、どのようにして、人が自然とリンクを張ってもらえるコンテンツを作るのか?
人間心理に基づいた、シェアされるようなコンテンツでなければならないと述べられている。
ここが理解できていないと一方的にクライアントの紹介したいこと、言いたいことで埋め尽くされた内容になってしまい、つまらないコンテンツになってしまう。
現場にいると、結構あるパターンですよね。
「マズローの欲求5段階説」にある人間の「自己顕示欲」と「所属と愛の欲求」を刺激するコンテンツを作ればよい。
例えば、
「自己顕示欲」を刺激するコンテンツ…質の高いコンテンツ(自分こんなにすごい情報を知っているのだという自己顕示欲)、自分が主役になれるコンテンツ。
「所属と愛の欲求」を刺激するコンテンツ…いろいろな価値観の人を巻き込めるコンテンツ、一緒になって楽しめるコンテンツ、突っ込み合えるコンテンツ。
上記の欲求は、周りのユーザーと何らかのコミュニケーションをとりたいというもの。
コンテンツをシェアするカタチで、自分の欲求を満たそうと考えている。
これからは、はてなブックマークではてブが着いたコンテンツやシェアが多くされたコンテンツには、どのような欲求を刺激することを狙ったものか分析していきたいと思いますね。
拡散力の高いTwitterを運用する
いくら質の良いコンテンツを制作したところで露出させるための起点がないと見ない。
露出起点のためのツールとして、ソーシャルメディアの中でも拡散力の高いTwitterを運用する。
理由はTwitterアカウントは「匿名」で使うことができるので、コンテンツをシェアする竿の心理障壁が無い。
誰が投稿したかわからないツイートでも、おもしろければどんどんリツイートされてシェアされていくことができる。
また、SEOの視点から、Twitterのサービス本体から張られたリンク経由にSEOの効果が無くても、Twitter APIでつくられた外部サービス経由のリンクにSEO効果があるとのこと。
Twitterは手段であって、なぜTwitterを使うのかというシステム側、人間心理側から解説されている。技術ではなくて本質を学べることが本書の価値なんだと思いました。
まとめ
今回、本の内容にはあまり触れませんでしたが、ストーリー仕立てで進んでいくので、どのタイミングでマーケティングツールを使ったりするか、どのような考えでWebサイトを活かしていくか実践的なことが散りばめられているので、どんどん真似をしてスキルを身につけていきたいですね。
エンターテインメント向けに漫画ノベルで描かれているので、1日ぐらいで読み切ることができます。しかし、内容を理解していくためには何度も繰り返し読み込む必要のある一冊だと感じました。
今後、優れたアプリケーションや便利なツールで、Webデザイナーとして生き残っていくのが容易では無いと感じています。そもそもなぜ、Webデザインが必要なのかを考えられることが大事。
案件の上流工程から携われるようなWebマーケティングの知識が必須と思っています。Webデザイナーの価値を高めるためのオススメの一冊です。
個人的には全490ページ程の厚みや話の内容において今年一番のインパクトな書籍になりそうです。
沈黙のWebマーケティング −Webマーケッター ボーンの逆襲− ディレクターズ・エディション