Webデザイナーが読んでみたビジネス書籍 2018年7月版

どうも、キンドル書籍の値下げセールに飛びついてしまうセルザワです。
最近キンドルの値下げセールの頻度が高くてお目当ての書籍を買うことが多くなってますます読書欲が加速しています。
今回も読んだ中で良かった書籍を紹介したいと思います。

ウラからのぞけばオモテが見える

デザイナー佐藤オオキを知る一冊

肩書はデザイナーだが、プロダクトデザイン、インテリアデザイン、建築、グラフィックデザイン、企業ブランディングまで多岐に渡っている佐藤オオキ氏の仕事のポートフォリオ的な書籍。

世界最大規模の国際見本市のミラノサローネへの出展や、デザイナー・オブ・ザ・イヤーを最年少で受賞している経歴の方。日本よりも世界での評価が高く感じる。

Webデザイナーという「デザイナー」をやっていて恥ずかしながらこの書籍を読むまで名前は聞いたことがあるがほとんど佐藤オオキ氏について知らなかった。

デザインの発想があるようでなかった。少しひねりの効いたユーモアのあるデザインをするのが得意である。例えば、フタ部分がコマ(回して遊ぶやつ)になった急須や鉛筆型のチョコレートを鉛筆削り器でチョコレートケーキにふりかけるアイデアなど普段はつながっていないと思われるものを共通項によってつなげる手法を「他人丼」と佐藤氏は命名している。

nendoのデザインにも、普段はつながっていないと思われるものを共通項によってつなげる手法がある。佐藤はそれを「他人丼」と呼ぶ。
鶏肉と卵で調理される親子丼とは異なり、鶏肉以外の肉が用いられるのが他人丼だが、nendoが考える他人丼とは、「縁もゆかりもない(と思われている) 2者間を直に接続することで新しい価値を生み出す」もの。
「頭のなかでは全く別の『フォルダー』内に格納されていたデータ同士が突然、『リンクが張られた』状態になることで物事の見え方が一変するのです。このとき両者が離れていれば離れているほどインパクトは大きなものとなります。高低差による『落差』が生まれるからです。

ユーモアのある商品以外にも佐藤氏の仕事観、デザインの思考について述べられているので佐藤オオキ入門書としては最適ではないだろうか。

「売る」から、「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義

水野学のブランディング論

デザイナー水野学氏が今まで手がけた仕事から水野氏が考えるブランディングについて慶應義塾大学の講義の模様を収めた書籍。

一般的に「ブランディングとは」で書かれている文言「ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織の…云々」と一回聞いただけでは復唱できない、小難しいことが書かれているが、水野学氏が語る内容はわかりやすい。

ブランドとは、そのものがもつ個性や特徴、もち味を表現しているものなんです。これらを引っくるめて、ぼくは、「ブランドとは〝らしさ〟である」と考えています。

このようにデザイン、マーケティングを知らない人にもわかりやすい表現で語っているので頭にスッと入ってくる。そしてこの書籍もスイスイ読めてしまう。

また、プレゼンでデザイン企画を提案する際、クライアントに手紙をしたためる気持ちで企画書を書いていく様に「はっ」と気づかせてくれます。つまり、企画書は手紙と同じで読む相手、伝えたい相手のことを考えながら書いていくことが極意だと。

こんな良い講義が聞けるなんて、自分も慶応に行っとけばよかったと思ってしまいました。(絶対無理だけど…)

「読ませる」ための文章センスが身につく本

いろいろな表現を事例から読み取れる

書籍「読書は1冊のノートにまとめなさい」著者でもある奥野宣之氏の文章術の書籍。

他の作家が書いた文章を抜粋して解説している数が豊富にあり色々な表現を身につけることができる。
自分が何気なく普通に読んでいるプロの文章は、プロの物書きからすると論理的に考えられていることが分かり、プロのテクニックに驚かされる。

例えば、なぜジャーナリストや小説家が現場取材にいく理由は、文章を読み続けてもらう(「のせる」と表現している)ためという。

文章も同じことが言えます。実感がないと「のれない」のです。
ジャーナリストや小説家が、よく現場取材に行くのも、文章に実感が欲しいからです。自分の五感で現場を味わうことで、文章に「実感」を埋め込むことができるようになる。このことを、彼らはこれまでの経験でよくわかっているのです。
本やインターネットでは、「情報」は得られるけれど「実感」は得られません。

文書ってデザインと違って伝える手段(表現)が数多くあり、相手に伝えるためにどのテクニックを用いて良いか分からなくなる場合があるので、こういった例題を多く含む書籍はありがたい。

「学力」の経済学

科学的根拠による教育論を知る

教育経済学者である著者が書いた「データ」に基づいた教育本。
2人の息子がいるということもありこういった手の本は興味がある。

テレビ、雑誌、書籍などで子育て方法が取り上げられているが、本の冒頭に子どもの成功にはあまりにも多くの要因が影響していると述べられている。

もちろん、「子育てに成功したお母さんの話を聞きたい」という欲求自体に問題があるわけではありません。しかし、 どこかの誰かが子育てに成功したからといって、同じことをしたら自分の子どもも同じように成功するという保証は、どこにもありません。

著者は、上記のようにたった一人の個人の体験記ではなく、個人の体験を大量に観察することによって見出される規則性が書かれています。

例えば、「テストでよい点を取ればご褒美」「本を1冊読んだらご褒美」のどちらが学力テストの結果が良かったというと検証データよりインプット(「本を1冊読んだらご褒美」)にご褒美を与えられた子どもたちだったなど新しい知見が得られます。

実際に子育てに取り入れなくても読み物としておもしろい一冊だと思いますね。

まとめ.キンドルの値下げセールを狙え

本当にキンドルの値下げセールの頻度が高くて嬉しい限りです。
読みたい、めぼしい書籍をAmazonの「ほしい物リスト」に入れておくとセール対象になった時に値下がりの印がつくのでどんどん「ほしい物リスト」に入れておくと良いです。

セール対象のみの書籍ばっかりだとつまらないので値下がりしない書籍も購入してセール対象書籍とバランスよく読んでいきたいですね。

スマホでキンドルアプリでも読めますが快適に読むならiPad mini 4をおすすめします。その理由は「iPad mini 4はスペックの先にあるデバイスである理由」をご覧ください。

電子書籍にかかわらず紙の本でもおすすめの書籍があれば@nishizmまで教えてくれると嬉しいです。

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