誰のためのWebアクセシビリティなのか!?
どうも、仕事の関係でWebアクセシビリティを学ぶことになりましたアクセザワです。Webアクセシビリティって必要なのか?そもそもWebアクセシビリティでサイトのコンバージョンなどが変わってくるのか?
書籍「デザイニングWebアクセシビリティ」を読んでWebアクセシビリティの価値について学んでみた。
アクセシビリティってなに?
Webアクセシビリティを考察していく上でアクセシビリティって何かということを知っておくべき。
Webの業界に居るとアクセシビリティって聞いたことあるが、意味までわかっている人は少ないと思う。例に漏れず自分もアクセシビリティについて理解していなかった。
“accessible”は”access”+”able”、すなわち「アクセス可能」という意味です。ここでの「アクセス」の対象は場所だけではなく、物や情報も含みます。どこかに行く、何かを手に取る、といった行動を問題なく実現できれば「アクセスできる」と言えますし、実現できなければ「アクセスできない」ということになります。
本書では、電車に乗って移動する場合について述べている。
電車にのって目的に着くには、駅に着いてから切符を買う。改札を通ってホームについて電車に乗るという複数の行動を伴う。
これらの目的を行うことが困難な場合があるが、対策を行うことで目的へのアクセスを可能にすることができる。
[困難な場合]車椅子を利用している場合階段やエスカレーターでホームに移動することが難しい。
[解決策]階段に車椅子用の昇降機を設置する。
[困難な場合]目が見えない場合、切符を購入することが難しい。
[解決策]点字や音声によるナビゲーションを用意する。
つまり、いろんな障害物(目的のアクセスを妨げるもの)があっても、目的(場所、物、情報)へ到達するための複数の方法を用意することで目的へのアクセスしやすくさせる度合いをアクセシビリティ(accessibility=access+ability)という。
Webアクセシビリティはすべてのユーザーのため
WebアクセシビリティはWebに範囲を限定したアクセシビリティのことを指します。
Webアクセシビリティは障害者のためだけの対応と思っていたが、実は障害者をふくめすべての人に関係するものということが理解できる。
例えば、障害者でなくても、パケット制限で画像が表示されなかったら、画像を見ることができないし、
ワイヤレスマウスの電池がなくなってしまい、パソコン操作ができない等、サイトのアクセスへの障害となり得る。
Webアクセシビリティはすべてのユーザーのために対応を取らなくてはならない。
また、Webアクセシビリティを配慮している企業にもメリットがあると本書では述べられている。
アクセシビリティに配慮していない企業より、アクセシビリティに配慮している企業に良い印象を持つ人は多いでしょう。また、サイトのアクセシビリティを第三者に評価され、ランキングという形で公表されることもあります。アクセシビリティに配慮したサイト作りは、ユーザーや第三者の印象を向上することにもつながるのです。
資料請求や購買などの売上げアップにつながらなければWebアクセシビリティを行う意味がないと考えていたが、企業のイメージアップを図ることができるとわかりWebアクセシビリティの必要性を感じた。
すでにヤフー、三井住友、ソフトバンクなどの大企業がWebアクセシビリティを配慮し、Webアクセシビリティ方針を打ち出している。
WebアクセシビリティはSEOのため
WebアクセシビリティはSEOにも効果があると本書では述べられている。
アクセシビリティがサーチエンジンに与える恩恵は、大きく分けて2つあります。
ひとつは、サーチエンジンのクローラーがコンテンツにアクセスできるようになることです。コンテンツのアクセシビリティに問題があると、コンテンツに全くアクセスできないことがあります。たとえば、画像だけで構成されたページがあったとき、その画像に適切な代替テキストが指定されていなければ、サーチエンジンのクローラーはその画像を「読む」ことが困難になります。サーチエンジンのクローラーは、全盲のユーザーと同じような環境に置かれているのです。
もうひとつは、コンテンツの意味が伝わるようになることです。サーチエンジンはコンテンツを解析して、キーワードの重みづけを行います。このとき、ページタイトルや見出し、リンク、強調箇所などがサーチエンジンに伝わらないと、適切な重みづけができなくなり、うまく検索できなくなる可能性があります。
上記をかいつまむとサーチエンジンのクローラーがコンテンツにアクセスできるようになり、意味が伝わるようになる。
Webアクセシビリティの施策は、SEOの対策と重なっている。
まとめ.概要と具体策が網羅されている一冊
以上のことからWebアクセシビリティが特定のユーザーのためだけではなく、すべてにサイトに関わる人にとって価値があることが理解できた。
書籍「デザイニングWebアクセシビリティ」では、Webアクセシビリティ概要から、Webアクセシビリティ具体的な施策が網羅されている一冊になっている。
特に個人的には「Chapter6 システム設計」では、お問い合わせフォームなどのフォームについての陥りそうな問題点と解決策を提示してくれている。
フォームページはコンバージョンに直結しているページであり、EFO(エントリーフォーム最適化)というキーワードがあるぐらい重要な施策である。
またWebデザイナーであれば、Webアクセシビリティを踏襲したWebデザインしていきたいものである。そのために本書は必読であるといえる。
なお、kindleでの拝読であったがキチンとiPad miniにアクセシブルされていて読みやすかった。紙の本だとB6判で大きすぎるのでkindle版をオススメしたい。
デザイニングWebアクセシビリティ – アクセシブルな設計やコンテンツ制作のアプローチ