Webデザイナーが覚えておきたいWebディレクターの仕事術
どうも、ディレクションの奥深さを覚えたディレザワです。
去年からディレクターとして動いている期間があり、一緒にプロジェクトをやっていた先輩ディレクターから仕事をしながら盗んだディレクション方法を紹介したい。
ディレクションスキルは仕事スキル
もう10年前ぐらいに最初のWeb制作会社でディレクターを経験したことがあった。
そして今回、データアナリストからWebデザイナーに戻る間にWebディレクターとして大きなリニューアル案件をやっていた。
今までやっていたディレクションなんてディレクションの遊びみたいなことをやっていたなと思うほど、ディレクションの難しさや奥深さを一緒にプロジェクトをやっていた先輩Webディレクターから知ることになる。
人を巻き込み、巻き込まれながらディレクション案件を進めていくスキルは、Webディレクターに限らずどんな職種にも必要なスキルであると感じた。
Webデザイナーだけど、Webディレクションすることになってしまった人に向けてニシザワの備忘録を残しておきたい。
クライアントへの文章は丁寧に
リニューアル案件のプロジェクトを進めていく中でワイヤーフレームの確認、デザインの確認、提供素材の確認など一つ一つクライアントと確認、承認を得ながらプロジェクトタスクを紹介してプロジェクトは進んでいく。
クライアントとの確認で一番使われるのがメールやバックログ等のプロジェクト管理ツールである。すなわち文章でのやり取りがほとんどだ。
社内での人に向けて書く文章とクライアントに向けて書く文章は違う。クライアントに対しては丁寧にする必要がある。クライアントのネットリテラシーによって補足をする必要があり、クライアントと共通認識している言葉を使用しなくてはならない。
当たり前のことだが、社内の人のみでコミュニケーションをとっているWebデザイナーにとっては難しいところだと思う。
日頃からクライアント向けの文章を書くことに慣れていないと簡素で冷たい印象に取られる文章をクライアントに送ってしまうので注意したい。
ニシザワは言葉使いや言葉尻をマイルドしろと常に指導されていたことで一番注意すべきところと感じている。
クライアントには作業が発生した原因とその作業の納期を聞く
リニューアルプロジェクトを進めていくと、想定外の問題や作業がいくつも発生してくる。
- システムと連動させる箇所が増えた。
- 外部業者へ委託しているサービスの連結が必要になった。
- リダイレクトさせるページの精査が必要になった。
など。スケジュール以外の作業タスクが増えていく。
発生したタスクをすべて一つずつ消化させていくとキリがなく、公開スケジュールが遅れていくことになってしまう。
公開までに必要な作業を洗い出すために、その作業が本当に必要なのか見極めるためその作業が発生した原因を聞くことが大事。またその際にその作業の納期の希望も併せて聞く。
その作業がなぜ必要なのか知りもせず、クライアントから振られたものはすべてやるものだと考えていた。
Webデザイナーの頃には想像していなかったほどリニューアルプロジェクトで想定していないほどの作業が発生していたんだなと気づくことができた。ディレクターは発生した作業を吟味してデザイナー(自分)に作業を振っていたと思うと感謝を覚えます。
原稿の変更・追加・修正はクライアントの了承を得てから行うこと
一度、確定したサイトマップやワイヤーフレームなど原稿を修正や加筆する必要がいくつも出てくる。
デザイナーの感覚で言うとクライアントやディレクターからもらったワイヤーフレームなどは、デザインを行う上でよりよい見せ方をするためデザイナーの視点で変更し、変更も事後報告で問題なかった。
デザイナーの感覚でディレクターの立場で確定してワイヤーフレームの一部を変更してクライアントに出していたら一緒にやっていたメインディレクターに注意されてしまった。。。
クライアントの事前の了承もなく変えてしまうことは一緒にやっているディレクターの連携を崩してしまうし、なによりクライアントの信用を落としてしまう。
また、独断で勝手に変更してしまうことは後々問題になった時に大変だ。特に大きなプロジェクトでたくさんの人が関わっている場合は、問題になる可能性が高くなる。
Excelの機能を使いこなす
Webデザイナーの仕事道具はAdobeのPhotoshopやIllustratorがメインである。ディレクターの仕事道具はMicrosoftのExcelやPowerPointだろう。例外もあるだろうがほとんどの企業ではExcelやPowerPointじゃないかなと思う。
デザイナーはデザインをするための原稿でありExcelを開いて確認だけだったが、ディレクターにとってExcelの機能の習得は必須である。
数百ページものURLを管理する場合、Excelのフィルター機能を使ってページの原稿の有無は確定・未確定などを確認できるようにするなど。フィルター機能の他にVLOOKUP機能や重複判定機能はよく使うので覚えておいたほうが良い。
自分はディレクターに必要なExcelの機能の使い方が分かっていなくて最初は作業に手間取った。
プロジェクトの進行は必ず担当者と期日を確実に設けること
リニューアルプロジェクトの作業は、同時に複数のタスクが進行する。
社外・社内問わず関わっている人が多いほどプロジェクトのスケジュールの進行に負荷がかかってくる。
スケジュールを円滑に進めるためにそれぞれのタスクに担当者と期限を設けることを忘れてはいけない。なぜならば、タスクの担当者を納期をキチンと決めて置かないタスクを誰がやってくれるだろうと他人任せになり何も進まないからだ。
タスクが発生したら必ず作業の担当者といつ終わるのかをセットで確認しなければいけない。
これって仕事のセオリーだと思うんだけども、デザイナーはできていないのよね。
ディレクションには必要なスキル、、というか仕事のセオリーですよね。
問題が起こったら、即電話やミーティングを入れる
プロジェクトを進行していく中で必ず問題は起こる。大小関係なく起こる。
始めはメールでのやり取りからお互いの解釈の相違のズレが起こり、問題になる場合が多く。
メールや電話などで問題が起こりそうになったら、すぐにディレクターが間に入って電話やミーティングを設けることが必要になってくる。
以前、社内で他のディレクターと制作者の意見が分かれて、ディレクターと製作者の間でメールが飛び交っている中で一緒にやっている先輩のディレクターが即ミーティングの時間と場所と関係者の予定を抑えている姿を隣で見ていて驚いた。
問題を大きくならないよう早急に問題を解決する姿勢を見習いたい。
間違えた原因を特定する
最後に一番自分の中で為になっていることです。
人は必ずミスをする。間違える。特にリニューアル案件の同時タスクを行っていると、必ず間違えをする。
みなさんはどのようにリカバリーしますか?
当初、自分は間違えた原因を究明することなくゼロベースで最初から作業を行っていました。
例えば、リニューアル対象のページを管理しているファイルリストの既存のページ数とサーバーから落としてきたファイル数に相違がある場合に、手作業で行っているファイルリストの方を新規で作り直すのではなく、どのページが漏れていたか、またはダブリがあったかを探す。
その後になぜ、相違があったのかを特定する。
原因を特定することは次の作業のミス防止になるので必ず行わなくてはいけない。至極当たり前だと思うが、デザイナーの作業ではやったことがなかった。
ちなみに、ページの漏れやダブリを洗い出すためにExcelの機能(重複判定)などを覚えておかないとならない。
まとめ.Webディレクションを学ぶ
ここに上げた以上に細々とした仕事術があるが、専門的すぎるので割愛しました。
Webデザイナーでやっていた自分にとって、全く出来ていなかったことであった。もちろん、こんなことを当たり前のようにやっているWebデザイナーもいると思います。
職種で完全に区切られたような制作会社にとってデザイナーの領域だけでは経験できなかったことができた。Webディレクターの立ち位置はクライアントのやり取りや仕事の調整をしていく。その中で仕事を進めていくスキルは、今後どんな業種で生きるにも必要なスキルであるといえる。
今回、Webディレクターとして大きなリニューアル案件に携われたが、一回の経験のみでは身につくスキルではないし、また本で学ぶだけで習得できるスキルでもない。
Webデザイナーに戻ってきて、あらためてデキるWebディレクターの元で一緒にできたのがよかったなと感謝している。
Webディレクションを学んだことでWebデザイナーとしての仕事の効率が上がり、業務の進め方もディレクターの視点で行うことができるようになったなと体感している。
Webディレクターの領域まで関わることになったWebデザイナーにとって参考になれば幸いです。